特産品・・・特産品と名のつく野菜は全国にたくさんあります。しかし、本当の特産品と言えば他の場所で栽培しても同じものができないほど独特な味と形を持ったものでなければなりません。

 

水茄子は、その名の通り水分たっぷりを含み、また皮がとてもやわらかくて、あくが少ないので、生でも食べられるのが特徴です。そのため、昔は田畑の片隅に植えて、夏の農作業時に、喉の渇きを癒すために食べていたと言われています。

「水なす」の栽培は、江戸時代初期からと伝えられています。その由来は定かではありませんが、室町時代の書物に水なすのもとになったと思われる「澤茄子」の記述があり、近木郷の澤村付近(現在の貝塚市沢周辺)が発祥の地ではないかと考えられています。また一説には泉佐野市には「日根野あずきに上之郷なす」という諺(ことわざ)が残っていますが、このことから、水なす発祥の地は、和泉の国 上之郷村(現在の大阪府泉佐野市上之郷近辺)とも考えられています。

 

 

旬は夏で、期間は3月中旬~9月下旬といったところでしょうか。
近畿地方では、その美味しさに定評のある「水なす」ですが、数年前より全国的に人気が上がり、京都の料亭や東京のお寿司屋さんにも出されるようになり、一躍人気が高まってきています。
 

どういう理由なのかはわかっていませんが、泉州地方(堺、和泉、岸和田、泉佐野、貝塚各市)以外では育たず、しかも生産農家では先祖代々からその種や栽培技術は門外不出とされてきたため、「水なすは大和川を越えず」といわれるほど地域限定の農産物です。他県や大阪の他地区でも栽培を始めているようですが、同じように育てても、皮のやわらかさや味、色つやが泉州のものとは違ってきます

 
 

水茄子は乾燥と連作を嫌います。それで昔から河川に近い水田付近で栽培されてきた。それと和泉砂岩からできたこの辺りの土質を水茄子が好んだこともあります。種や苗をいくら他の所へ持っていっても同じものができません。
20年ほど前はそれまでは泉州のどこの農家でもそうであったように、自家で食べる分だけを作られていたそうです。現在、ハウスで栽培しているのは濃紫色の丸みをおびた巾着形。いわゆる絹皮水茄子と呼ばれる品種です。
虫がつきやすくて青枯病や連作障害が出やすい水茄子が、接木苗やハウスにより栽培しやすくなったものの、木の顔色を見ながら育てる苦労は今も変わらないようです。