「ぬか」にはビタミンB類が多く含まれているので、「ぬか漬け」にすると「ぬか」の栄養素も野菜に染み込みます。

 

特にビタミンB1は、豚肉やきな粉に多く含まれていますが、他の食品にはあまり多く含まれません。水なすを「ぬか漬け」にすると、ビタミンB1は漬ける前の約5倍に増加します。 ビタミンB類が足りなくなると、体内に水分がたまり、全身がむくんだり、動悸・息切れ、手足のしびれなど末梢神経に異常が起きたり、食欲不振、スタミナ不足で疲労しやすくなったり、いらいらしたりします。頭や体を使いすぎた時にはぬか漬けを食べると良いですよ。またアルコールをアセトアルデヒドに分解するときに必要なのもビタミンB1 だ。

 

 

糖(炭水化物)を分解して主に乳酸を作り出すことによって  エネルギーを得ている、いろいろな種類の微生物の総称。
漬物の乳酸菌は、ラクトバチルス・プランタルム(左写真)というもので野菜を漬けるとその表面に付着する有用菌。整腸作用に大きな効果があり、乳酸菌の増殖した食品を摂ることは、元々いる腸内乳酸菌の増殖を促す働きがあり、漬物に多い繊維も腸内乳酸菌の増殖に大きな力がある。乳酸菌は糠で漬けられた漬物に特に多く含まれています。
 
「ぬか床」は、野菜などについていた乳酸菌や酵母が入って増殖し、発酵することによって風味を醸し出します。このように熟成された床で漬かった「ぬか漬け」を食べることは、乳酸菌飲料を飲むことと同じような効果があります。乳酸菌は腸の中で、悪玉菌を攻撃したり、ビタミンをつくり出したりします。おなかの調子も良くなり、免疫も高まります。

「ぬか床」には酵素も多く含まれていて、その酵素たちは「ぬか漬け」にもたくさん吸収されています。それらは、体の消化を助ける働きもします。
 乳酸菌は空気を好みますから、漬床に絶えず新鮮な空気を送ってやらねばなりません。ぬかみそ済を毎日かき混ぜるのはこのためです。
もし手入れを怠れば、空気の嫌いな酪酸菌がはびこって酪酸臭を生じ、漬物の風味を悪くします。折角の漬床を捨てる破目になります。

乳酸菌は塩分に強く、10%の濃度でも盛んに繁殖しますから、塩を加えて他の悪玉菌の生育を抑え、有用な乳酸菌の活動を助けねばなりません。
漬物の種類や貯蔵期間、食用期によって、適切な食塩量を決めることが大切です。

ぬか床をそのまま放置しておくと、酸素がなければ繁殖できない乳酸菌が死滅し、逆に酸素を必要としない酪酸菌という悪臭のもとになる菌が繁殖してしまいます。漬物の液の表面にカビのような白い膜をつくるのは産膜酵母です。 この酵母は、漬液の中に折角できた糖分、アミノ酸、乳酸などをえさにして繁殖し、漬けた野菜を軟化させて風味を損なう有害な酵母です。

 
 

しかも、20%の食塩水中でも衰えない厄介ものです。発生したらすかさずすくい取り、ビニール・フィルムで液面と空気を遮断するようにしなければなりません。
ぬかを混ぜることによって、酸素がまんべんなくぬか床に行きわたり、ぬか床がリフレッシュするのです。
なお、水がたまったぬか床も酸素が中まで入りにくいので、水はこまめに取り出しましょう。

 
 
 

 

塩は上にもあるように悪玉菌を抑える役目があります。また、野菜は塩をすると一見しおれて柔らかくなりますが、組織自体は塩によって引き締められているため、かえって歯ざわりがよくなります。さらに、梅干しや水なす漬けなど、きれいに発色した色を保つのも塩の働き。塩は単に味つけだけではなく、野菜が漬かりやすくなるための脱水作用や、菌の繁殖のコントロール役などもこなしているのです。

野菜には食物繊維が含まれています。ぬか漬けにすると水分が少なくなるため、生野菜を食べるよりもたくさんの量の食物繊維を摂ることができます。食物繊維を摂ることで便秘が治ったり、善玉腸内細菌が増えたりもします。他にも食物繊維には、脂肪の分解やコレステロールの過剰を抑える働きもあると言われています。

なすにもともと含まれる青い色素の正体は、ナスニンというスカベンジャー。これはアントシアン系の色素で、ナスの他にはムラサキイモやブルーベリーなどに含まれています。ナスニンは眼の疲労を回復する働きがあったり、スニンも高い抗酸化力がある。といわれています。さらに、ビタミンAと一緒に摂取すると効果的です。

アルカリ性食品が人間の体に必要だと言う事はわかっていても何がアルカリ性食品なのかは以外に知られていないようです。
本来、人間の体の血液・体液はアルカリ性と言われ、アルカリ性を保つ事が健康の条件となっています。酸性食品ばかりとっていると、血液・体液は当然、酸性に傾きます。
酸過多症は極端な例ですが、体力は衰え、病気になりがちな体質になると言われています。

漬け物はほとんどがアルカリ性食品と考えていいようです。梅干や酢漬けのすっぱさは酸性におもわれがちですが、カリウムやカルシウムなどが体内に残り、野菜そのものの無機塩類を含んでいますので、やはりアルカリ性食品です。
そして食塩や食酢はアルカリ性食品になる働きをします。ですから肉・魚など酸性食品を食べた時、あわせて野菜・果物も食べ、バランスのとれた食事を目指したいものです。

漬物は食事をバランス良くし、アルカリ性の供給食品と言っていいのかも知れません。
 
 

人間の血液は微アルカリ性の方が健康によいことはよく知られていますが、そのためには野菜、果物、海草など、アルカリ性のたべものを多くたべるようにしなければなりません。
 
漬物は、野菜を主な原料としますのでアルカリ食品です。季節の漬物は食卓にいろどりと風味を供して、楽しい食事の演出を行います。それによって、食欲をうながし、消化吸収をよくして、間接的にスタミナづくりに役立つことになります。

 
 

マコト商店初代店主は、こんなオヤジです
 

地元泉州岸和田市阿間ヶ滝の農家に生まれ育ちました。昔ながらの田舎の知恵である味噌や漬物等の発酵食を体で覚えました。


 

高知大学の農芸化学で発酵学を学び、ビフィズス菌や乳酸菌を研究した。



大学卒業後、製薬会社で当時は整腸剤を研究しました。



その後、泉州地場産業のタオル関連工場の経営を父から引き継ぎました。



ある地元カニ専門割烹料理のご主人から水なす漬けを譲り受けました。
さらに研究の成果を活かし、改良を加え、完成させました。
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さの町場家守舎 まちばの芽